モンテカルロ法

モンテカルロ法の使用方法

モンテカルロ法は、カジノで使われる投資法ですが、FXでのトレードでマネジメントとしても、効果的に活用できます。

この投資方法は、負け(損切り)のときに、勝ちを一回で取り戻すのではなく、段階的に取り戻していくマネーマネジメントシステムです。

そのため、負けが続いても、緩やかに損失が増えるため、急激に資金が減ってしまう可能性は低いのが特徴です。負けの後に勝てば、何回かに分けて損失を取り戻すことが可能です。

実際にこのマネジメントシステムで、モンテカルロのカジノが倒産したという逸話が残っており、上手に使えば非常に有効な投資法です。

モンテカルロ法は、数列(1.2.3)を基本として、数列の両端を合計した金額を賭けます。
もう一度負けた場合に、右に+1を足した数字を増やし(1.2.3.4)、勝ったら両端の数字を消します(2)。
数列が無くなったり数字がひとつになった時点で、1セットは終了です。また初めのトレードからスタートします。その後、数列( 1.2.3 ) に戻って同じ作業を繰り返します。

FXでは、1の掛け金は1万通貨や1000通貨、その他の数字に置き換えて計算します。

FXで使用するときに手順が、複雑ですので紙やボールペンを使用することを推奨します。

モンテカルロ法の利益と損切りのpipsは、倍率2倍と3倍があります。
倍率2倍と3倍では、大きく使用方法や利益率が変わるので注意が必要です。

2倍の場合

利益:損失=1:1に設定します。

<例>
利益が10pipsであれば、損失は10pips
利益が50pipsであれば、損失は50pips

これにより、掛け金に対して、倍率が2倍になります。

3倍の場合

利益:損失=2:1に設定します。

<例>
利益が20pipsであれば、損失は10pips
利益が50pipsであれば、損失は25pips

これにより、掛け金に対して、倍率が3倍になります。

使用手順

1.[ 1 2 3 ]と記入して、両端の1と3を足した4単位を投資します。

1 2 3
4単位を投資

2.損切りなった場合は、[ 1 2 3 ]に前回の投資の単位である4を右側に付け足して[ 1 2 3 4 ]として両端の1と4を足した5単位を投資します。

1 2 3 4←前回の投資の単位(単に+1ではない)
5単位を投資

3.負けた場合は、[ 1 2 3 4 ]に前回の投資の単位5を右側に付け足して[ 1 2 3 4 5 ]として両端の1と5を足した6単位を投資します。

1 2 3 4 5←前回の投資の単位(単に+1ではない)
6単位を投資

4.同じように、負け続ける限りは、数列に前回使用した投資額の単位を右側に付け足して、両端の数字を足した単位数を投資します。

〈ポイント〉

単に数列に+1するのではなく、前回使用した投資の単位を付け足します。
つまり、[ 1 2 3 4 ]の5で投資して負けた場合は、次は[ 1 2 3 4 5 ]の6ですが、[ 2 3 4 ]の6で投資して負けた場合は、次は[ 2 3 4 6 ]の8です。

5.勝った場合は、2倍の倍率では両端の数字を1個ずつ消します。

2倍の場合
1 2 3 4 5
6単位を投資

6.3倍の配当のゲームでは両端の数字を2個ずつ消します。

3倍の場合
1 2 3 4 5
1セットが終了

7.消した後に残った数列で、さらに両端を足した単位数を投資します。

8.勝つことにより両端を消えて、数字が全て無くなるか、1個だけになった場合は1セットが終了です。
最初のトレードから始めます。

モンテカルロ法使用例

2倍の倍率でトレードをする場合は、連勝で1セット終了しないと利益がプラスにならない場合がある。

モンテカルロ法 2倍の倍率 <例>
回数 数列 投資単位 勝敗 累計損益 数列の変化
1回目 1 2 3 1+3=4 負け -4 1 2 3 4
2回目 1 2 3 4 1+4=5 負け -9 1 2 3 4 5
3回目 1 2 3 4 5 1+5=6 勝ち -3 1 2 3 4 5
4回目 2 3 4 2+4=6 負け -9 2 3 4 6
5回目 2 3 4 6 2+6=8 勝ち -1 2 3 4 6
6回目 3 4 3+4=7 負け -8 3 4 7
7回目 3 4 7 3+7=10 負け -18 3 4 7 10
8回目 3 4 7 10 3+10=13 勝ち -5 3 4 7 10
9回目 4 7 4+7=11 負け -16 4 7 11
10回目 4 7 11 4+11=15 勝ち -1 4 7 11 終了

3倍の倍率でトレードをする場合は、1セット終了時に必ずプラスの利益が得られる。

モンテカルロ法 3倍の倍率 <例>
回数 数列 投資単位 勝敗 累計損益 数列の変化
1回目 1 2 3 1+3=4 負け -4 1 2 3 4
2回目 1 2 3 4 1+4=5 負け -9 1 2 3 4 5
3回目 1 2 3 4 5 1+5=6 負け -15 1 2 3 4 5 6
4回目 1 2 3 4 5 6 1+6=7 負け -22 1 2 3 4 5 6 7
5回目 1 2 3 4 5 6 7 1+7=8 負け -30 1 2 3 4 5 6 7 8
6回目 1 2 3 4 5 6 7 8 1+8=9 負け -39 1 2 3 4 5 6 7 8 9
7回目 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1+9=10 勝ち -19 1 2 3 4 5 6 7 8 9
8回目 3 4 5 6 7 3+7=10 負け -29 3 4 5 6 7 10
9回目 3 4 5 6 7 10 3+10=13 勝ち -3 3 4 5 6 7 10
10回目 5 6 5+6=11 負け -14 5 6 11
11回目 5 6 11 5+11=16 負け -30 5 6 11 16
12回目 5 6 11 16 5+16=21 勝ち +12 5 6 11 16 終了

モンテカルロ法のメリット、デメリット

メリット

  • マーチンゲール法ほど投資資金の増大が激しくない。
  • マネジメントシステムにより、リスクが軽減される。

デメリット

  • ルールが複雑。
  • FXのトレードで負ければ、緩やかに投資資金が上がっていくが、仮に10連敗した場合は、相当数の掛け金に上昇する。
    そのため、テクニカルを使用してエントリーを見極める必要がある。
  • 2倍の倍率でトレードする場合は、1セットが終了した時点で必ず利益が得られているわけではない。
    -1単位で終了することもあるため、次回トレードで相殺する等の工夫が必要。

<例>
-1で1セットが終了。次の最初のトレードで4単位を投資して勝つ。

4ー1=3単位の勝ち。次のトレードへ。

その他

エントリー後は決めた利益と損切りで、OCO注文を発注します。

スプレッドは考慮していませんので、なるべく低いFX社のスプレッドでトレードします。

1セット途中での通貨ロットの変更や決済pips数の変更は、損益率が狂うため変更しません。
必ず、1セット後に変更します。

モンテカルロ法は、ディフェンス重視の投資法ですが、FXのトレードと相性がよいため、効果的に使用できます。

非常に人気のあるマネジメント方法です。

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