FXの確定申告

FXの確定申告は複雑です。初めての方でも分かりやすいように、確定申告の内容から実際の書類作成方法まで詳しく解説します。

FXの税金

FXの税制は「申告分離課税」になっています。
これにより、一律20%の税率が適応されます。また、「損益通算」と「損失の3年間繰越控除」が可能です。

課税方法 申告分離課税
税率 一律20%
損失の繰り越し 3年間繰り越しが可能

*2013年01月から25年間にわたり、所得税に対して「復興特別所得税」が追加課税されます。
そのため、この期間の税率は、20%+0.315%=一律20.315%になります。

税率の詳しい内訳
申告分離課税
【税率】20.315%
所得税【税率15%】

復興特別所得税【税率0.315%】
住民税【税率5%】

FXと損益通算が可能な金融商品

FXは以下の金融商品と損益を合計して税率が計算されます。

  • 店頭FX
  • 取引所取引FX(くりっく365、大証FX)
  • CFD(差金決済取引)
  • 日経225先物、日経225先物mini
  • 商品先物取引
  • 上場カバーワラント
  • 店頭カバーワラント

*日本株、外国株、投資信託、ETF、外貨預金、MMF、外国債券は、FXと損益通算ができません。(2014年現在)

損失の3年間繰越控除

FX取引で1年間の利益がマイナスになった場合は、翌年以降の3年間において繰越控除ができます。損失を繰越控除するためには、確定申告をする必要があります。その後、翌年以降FX取引を行なわなかった場合でも、毎年確定申告する必要があります。

損失の繰越控除申告は、「通常の確定申告書」と「損失専用の申告書」の提出が必要となります。

注意点
1年目損失、2年目利益 1年目の損失は2年目から3年間控除できます。
1年目利益、2年目損失 2年目の損失で1年目の納税分の還付を受けることはできません。

3年間繰越控除の例

1年目に500万円の損失。2年目、3年目、4年目、5年目は、それぞれ100万円の利益。

  1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
利益   100万円 100万円 100万円 100万円
損失 500万円 残り400万円 残り300万円 残り200万円 繰り越しはできません。
繰り越し   1年目 2年目 3年目
課税所得
(納税額)
0円
(0円)
0円
(0円)
0円
(0円)
0円
(0円)
100万円
(20万円)

確定申告とは

毎年1月1日~12月31日の1年間に発生した全ての所得金額とそれに対する所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出します。これにより、源泉徴収された税金の還付や正しい所得税、住民税が確定されます。

確定申告が必要な人とは

給料所得がある人(パート・アルバイトの方も含む)

  • 給与の年間収入金額が2000万円を超える人。
  • 2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人。
  • 給与所得及び退職所得以外の所得のが合計金額が20万円を超える人。
  • FX取引での年間利益が20万円を超える人。

給料所得以外の人(専業主婦・無職の方)

  • 基礎控除額(38万円)を超える金額の所得がある人。
  • FX取引での年間利益が38万円を超える人。

FXにおける所得とは

所得=収入ー経費

収入…FX取引での1年間の合計損益(決済していないポジションは収入の対象になりません。)

  • FXでの取引所得
  • FX社での口座開設キャッシュバックキャンペーン収入

経費…FX取引で必要になった以下項目の経費

  • 入出金の振込手数料
  • パソコンの購入費
  • プロバイダーの通信費
  • セミナー参加費用(セミナー代+交通費)

*必要経費の範囲について最終的に税務署が判断します。個々のケースにより、判断基準は一律ではありません。

経費例 経費判定
FX取引専用のパソコンを購入 経費○
FXに関連する書籍の購入 経費○
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